皆さん、こんにちは。南方熊楠記念館のチョボいちです。
記念館の人気の展示物に、熊楠の衣類があります。ご進講の時に身につけたフロックコートや、羽織袴など、レプリカではなく、本物が展示されています。先日、古い資料の保存に関する専門家にご来館いただき、衣類の展示品を点検してもらいました。フロックコートは今は見かけは緑色ですが、もともとは黒色だと考えられます。ご進講の時に、緑色のフロックコートで臨んだとは、いくら熊楠でも無理があります。今回、襟の裏側や袖の裏側などを見ることが出来て、やはり黒だったと納得しました。フロックコートはしっかりした仕立てで、縁取りがあるデザインでオシャレです。内芝洋服店のタグが付いています。ベストとズボンもありますが、ズボンには身幅を調節して仕立て直したあとがあります。熊楠も愛着を持って着ていたんですね。これからも、できるだけ長い間、最良の形で本物の展示ができるよう、点検結果をもとに対策をとっていきます。
フロックコートの内芝洋服店のタグ