みなさん、こんにちは。学術スタッフの中野です。
当館では、新館2階の展示室に粘菌コーナーがあり、そこに「生きている粘菌」と題して、モジホコリの変形体(黄色、シャーレ×2個)を展示しています。1つは手に取って観察してもらうため、そして、もう1つは、文字通り<生きている姿>を実感していただこうと、顕微鏡をのぞくと原形質が流動している様子が見られるようになっております。
先日、茨城県自然博物館の宮本卓也さんから、“イタモジホコリの菌核”と“謎の紫色の菌核”が到着しました。ステキなお手紙も一緒にいただきました!^^
◀宮本さんからのお手紙と菌核
暑い時期はカビが生えたりするため、しばらく冷蔵庫で眠っていてもらっていたのですが、先日(9/22)ふと思い立ち、謎の紫色の菌核を起こしてみることにしました。
謎の菌核は、全部で3つあり、とりあえず試しに1個チャレンジです!
笹の葉が大きかったので、左右の不要な部分をちぎり、寒天培地の上へ置きます。
◀笹の上に紫色の菌核がありますね。
菌核は乾いていたので、笹の葉をちぎると同時に「バイーン」と空へダイブ!!>◇<
危うく無くしてしまうところでしたが、近くに落ちているのを発見することができて、よかったです。
ちょっとだけ水で濡らして・・・ トントントン・・・
◀水で濡らした謎の菌核
水で濡らすと、菌核の色がぐっと濃くなったような気がします。笹の葉の上に見える濃い茶色っぽいのが2つと、葉のすぐ上に1つと、そのずっと上にもう1つ大きな塊が見えますね。
さて、ドキドキしながら、フタをして、温度22-25℃で保ち、一晩おきました。
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◀9/23朝:16時間経過(すみません!上の写真と上下が逆ですね!!)
よく見ると、菌核から血管のような構造とモヤモヤっと変形体が伸びてきています!やったー!!一発で起こせるなんて、私ったら飼育の天才ですかね!←(冗談です。w)
ここにモジホコリの餌であるオートミールを数粒置いて、さらに様子を観察します。
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◀9/23夕方:24時間経過
あ!オートミールに変形体が群がってますね!^^ モジホコリと同様に、オートミールの周りに付いた微生物を食べているんでしょうかねー♪
さらにパラパラッとオートミールを追加します。いっぱい食べて、元気に育ってくれるといいです!!
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◀9/24朝:40時間経過
1個めのオートミールを食べ終え、2個めに進んでいる子もいますね!どんどん食べてさらに大きくたくましく育ってください。
ただ・・・扱ったことのない謎の粘菌なので、うまく育つか分かりませんが。。。
元気に育ったら、顕微鏡コーナーへの設置も考えております!その時には、またレポートしますね。飼育係からでした!^^