8/6(日)「番所崎の海の生き物を学ぼう!」

みなさん、こんにちは。学術スタッフの中野です。

昨日(8/7)、台風5号が和歌山県北部に上陸して暴風と大雨がすごかったですね。みなさま、大丈夫だったでしょうか??

さて、台風が来る1日前、8/6(日)に当館では「番所崎の海の生き物を学ぼう!」と題しまして、海の生物の観察会を開催する予定でした。しかし、天気はよかったものの、台風接近により、海は大荒れ・・・波浪注意報も出ており、さすがに磯に出て生き物採集は出来ない・・・さて、どうしたものか。。。一時は中止も考えましたが、なんとか室内実験・観察等で乗り切りましょう!という運びとなりました!^^

・・・というわけで、磯には出れないけど、番所崎の海の生物を観察していきたいと思います!講師は和歌山大学の古賀庸憲(こが つねのり)教授、京都大学の中野智之(なかの ともゆき)助教です。

 ◀本日の予定

まずは、古賀教授による講義「番所崎の海の生物」です。

 ◀講義の様子

潮の干満が起こる仕組みから始まり、生き物の食う食われるの関係、そして18年間かけて番所崎で観察した生物たちの写真や動画が続きます!

 ◀ウミウシの写真

古賀先生はカニやヤドカリの専門家なのですが、出てくる写真は海綿動物から始まり、刺胞動物、甲殻類、軟体動物、打ち上げられたイルカやウミガメなど多岐に渡りました!それぞれの生物についての解説もあり、1時間たっぷり・大ボリュームの講義となりました!時々、挿入された動画も面白く、子供たちの顔が興味でパッと輝くのが印象的でした。^^

さて、休憩時間をはさんで、後半は京都大学の中野先生による生物観察です!本日は特別に京都大学瀬戸臨海実験所に所蔵されている標本をケース1つ分持ってきてくださいました!

 ◀ウミシダの標本を説明中

標本は、参加者のみなさんの元に回して、じっくり観察してもらいました。オニイソメやウミグモなど、モンスターのような変な生き物の標本が人気がありました。^^

 ◀観察中の参加者のみなさん

その後、カサガイの実験を行いました。カサガイの仲間であるマツバガイをトレーに入れ、その殻の上にイボニシを乗せます。イボニシという貝は、貝を食べる肉食性です。イボニシは酸を出し、貝殻を溶かし穴を開け、そこから中身を食べてしまいます。

 ◀イボニシを乗せる様子

このまま何もしないと、マツバガイはイボニシに食べられてしまうかもしれません!さぁ、マツバガイはどのように対処するのでしょうか??⇐(結果は、参加者の方のみ知ってますね。w)

 ◀観察する参加者のみなさん

イボニシの他にも、スガイ(草食性)やケブカガニ(スガイを食べる)も実験に用いました。アンケートでも実験は好評でよかったです。海には出られなかったけれど、生き物に直接触れ合ってもらえて何よりでした。次回海へ出かける際には、今日学んだことを活かして観察できるといいですね!

 

その後、希望者で貝の標本作りも行いました。小鍋でゆでて、身を除去し、貝殻だけにして標本箱へしまいます。

 ◀標本作りの様子

今日は鍋でゆでる方法をやりましたが、電子レンジでチンする方法(貝の種類によって加減が難しい場合も)もあります。自由研究の一助になれば幸いです!