こんにちは閑話猿です。
特別展「南方熊楠と熊野古道」の開催も残り5日となりました。この展示では熊楠が神社合祀反対運動の際に用いた「熊野三景」について紹介をしています。
この言葉は「南富田(みなみとんだ)村の金刀比羅社は、古え熊野の神ここに住みしが、海近くて波の音聒(やかま)しとて本宮へ行けり。熊野三景の一とて、眺望絶佳の丘上に七町余歩の田畑山林あり(「神社合祀に関する意見(原稿)」 『南方熊楠全集』 7巻 p.538)。」実際に熊楠が「熊野三景」という言葉を使ったのは、白浜の金刀比羅社に対してのみですが、どのような三景を想定していたのか気になります。
このほか上富田岡にある田中神社も「柳田国男氏が本邦風景の特風といえる田中神社あり、勝景絶佳なり(松村任三宛書簡 p.496)。」と述べているため、候補として挙げられそうです。
紀南は熊野古道にまつわる風景や地質学上の面白い風景が数多くあります。熊楠は「三景」としていますが、近江にならい「八景」を考えてもおもしろいと思います。実際に三重県熊野市はふるさと納税の返礼品に「熊野いいとこ撮り【熊野八景8枚入り】」という写真絵はがきや和歌山県では「本宮名所八景」なるものがあるようです。
熊楠にまつわるオリジナルの八景を考えてみても面白いですね。
白浜町中字鳥之倉 金刀比羅神社 | 金刀比羅神社からみえる五色ヶ浜 |
上富田町岡の田中神社 |