こんにちは閑話猿です。
本日は大正15年(1926)に東京の坂本書店から熊楠初の著作『南方閑話』が発売された日です。この本を編集したのは長崎出身の本山桂川という人物です。本山はこの本を皮切りに「○○閑話」というタイトルの「閑話叢書」というシリーズにしようとしていたようですが、出版不況もありシリーズは途中で終わってしまいます。
本山は、閑話叢書を柳田国男が関わっていた炉辺叢書のような民俗学のシリーズにしようと考えており、さらに読者層を取り合いにならないような配慮をしたようです。そのシリーズの第1冊目が熊楠の『南方閑話』というわけです。
本山は後年この『南方閑話』について、「南方(なんぽう)系の話を扱った本」とトンチンカンな書籍紹介をされ、困ったなどと記しています。確かにケースには異国風の壺のイラストがデザインされていますし、「ミナカタ」ではなく「ナンポウ」とも読めてしまいます。
ちなみにこの本の表紙には「2匹の猿」がデザインされています。閑話叢書にはこの猿がデザインされています。私はこの猿がお気に入りで「閑話猿」と号しています。