俳句の日と碑

こんにちは。閑話猿です。本日8月19日は俳句の日です。正岡子規研究家で俳人の坪内稔典らが提唱し、1991年(平成3年)に制定されました。

熊楠に関する俳句で有名なのは、河東碧梧桐の「木蓮が蘇鉄の側に咲くところ」かと思います。

実は俳句の季語に「熊楠忌」というものがあるのをご存知でしょうか。これは南方熊楠研究者であった中瀬喜陽氏(1933年-2018年)の尽力により、12月29日の熊楠の命日、ひいては冬の季語として『新日本大歳時記』(講談社)や『ザ・俳句十万人歳時記』(第三書館)に掲載されています。

中瀬氏が熊楠について詠まれたものに以下の句があります。

 

  • 書庫の戸に鼠返しや熊楠忌
  • 熊楠忌お歌は雨の神島詠む

○ 翻刻の待たるゝ書簡曝しけり

 

1つ目は、田辺の南方邸の書庫のこと、2つめは、記念館にある昭和天皇の歌碑について、3つめは熊楠の書簡を虫干ししている情景でしょうか。「熊楠忌」は12月の季語ですが、この俳句の日に熊楠に関する句をひねってみるのも面白いのではないかと思います。

余談ですが、白浜の経王寺(現在無住寺)には中瀬氏や串上青蓑の句碑などが建立されています。紀南地域の文化を知る上で重要なお寺ではないでしょうか。

 

参考資料:南方熊楠顕彰館 「第59回月例展 熊楠とゆかりの人びと第41回 中瀬喜陽」配布資料の杉浦圭祐氏の「俳人としての足跡」。

昭和天皇の御製

白浜の経王寺

中瀬喜陽氏の句碑