虹と竜

こんにちは閑話猿です。

辰年にちなんで、虹を掲載します。

熊楠は「十二支考」の「田原藤太竜宮入りの譚」において、様々な自然現象が竜のしわざと考えられていた各国の事例を挙げています。竜巻や雨乞いの対象とされていた事例を挙げていますが、事例は2つしか見いだせませんでした。熊楠曰く、

 

ベシシ人は竜を有角大蛇とし、地竜、海竜と戦い敗死し天に昇って火と現ずるが虹なりと信ず(スキートおよびブラグデン『巫来半島異教民種篇(ペーガン・レーセス・オヴ・ゼ・マレー・ペニンシュラ)』二)(『南方熊楠全集』1巻 平凡社 120頁)。

 

フィリッピンのタガログ人は■(「魚+王の中の空白部に口が四つ」、わに)に殺された者、雷死刃死の輩と同じく虹の宮殿に住むとした(コムベス著『ミンダナオおよびヨロ史』一八九七年マドリッド版六四頁)。

 

どちらも人が亡くなった後のことを取り上げています。