こんにちは閑話猿です。
最近雨予報が多くすでに梅雨入りしたのではと思えてきます。そんなジメジメした季節にキセルガイも確認できるようになりました。この殻だけ見ると海の生物のようにおもえますが、カタツムリやナメクジの立派な仲間です。
当館の壁面にいたものは、小指の爪程度の大きさでした。当館で展示している資料のなかに写真よりももっと大きなキセルガイの殻があります。熊楠によると
山オコゼは北向きの山陰のシデの木などに付く長さ一寸ばかりの小介(貝)、殻薄きものなり。かの村にこの介を持ち、常に魚利または博奕利を獲る者あり。袋に入れて頸に掛け、人に見せず(南方熊楠「山オコゼのこと」『南方熊楠全集』3巻 194頁)。
このように大きめのキセルガイのことを書いています。民間に伝わる縁起かつぎのお呪いですね。当館の周辺にいるキセルガイもこれから大きくなって長さ一寸(約3cm)の「山オコゼ」と呼べるくらいになってほしいものです。
2021年05月19日ブログ「山オコゼ」