アミガサタケ

こんにちは閑話猿です。

アミガサタケを採取してみました。この頭部は特徴的な巣状の窪みの集合体となっています。そして内部は中空です。熊楠の書簡に「食用になる」「ミルクで煮込むと美味しい」旨書かれているので、内部が中空ではなく、もう少し肉厚のキノコを想像していました。

熊楠は1939(昭和14)年4月14日にキノコ四天王の一人である樫山嘉一からこのアミガサタケを受け取っています。それによると、

アミガサタケに候。此属本邦に12、3種も知られあるべきが、今回御送来のものが一番多く候。馬我野、田辺町、鉛山、稲成村、新庄村、和歌山附近等より知に入り有之、これは牛乳で煮込めば、中々うまく、また滋養品に有之候。

熊楠が示した発生場所に鉛山とあるため、現在の湯崎から瀬戸(番所山附近)にも発生していたことがわかります。

そして熊楠はこのキノコを縦に割った時の様子を図示しています。そして「今後斯(か)のもの御見出の節は、洩れなく御採集を乞ふ」としています。サンプルとして保管するつもりか、食べるためでしょうか?次回はこれを粘菌に与えた様子をお伝えします。

 

関連ブログ:2024年4月22日 「桜の下のキノコ」

頭部のアップ

根本から内部を見る

断面

熊楠が描いたアミガサタケ

クラウドファンディングで製作したアミガサタケの拡大模型