こんにちは閑話猿です。
10月29日より、きのくに文化月間連携事業 2023年度特別展「南方熊楠と関東大震災-100年前の地震と影響-」を開催しています。
この展示では1923年9月1日に発生した関東大震災が熊楠に与えた影響の展示のほか、1885と1886年(明治18・19年)の大学予備門時代の熊楠の行動と、1922(大正11)年の南方植物学研究所の設立資金寄付を得るために上京したことも取り上げています。
このなかで熊楠は1922(大正11)年5月13日に神奈川県大磯町の紀州德川家の別荘「高麗(こま)園」を訪れています。ここで熊楠は竹製のビリヤード室をみています。
平屋の広間には竹類の製品を無数集めたり。(略)侯爵(徳川頼倫)、一長竿を執り示していわく、これ予が特許製品なり、と。熟視するに、竹で作った球突き竿で、手工精妙を極む。これを載せた球突き台も、その上に懸かったランプ笠も、ことごとく竹で作る(「上京日記」『南方熊楠全集』第10巻)。
熊楠はビリヤード室が「ことごとく竹で」作られていることを記しています。
そして熊楠はイギリス留学中に腕を磨いたビリヤードを・・・とはなりません。徳川頼倫との「竹談義」をはじめます。二人の話は尽きなかったようです。
この他にも熊楠の著作「十二支考」が掲載された『太陽』も展示しています。