『南方閑話』発売日

こんにちは閑話猿です。

本日は大正15年(1926)に東京の坂本書店から『南方閑話』が発売された日です。『南方閑話』は熊楠の名前で初めて出版された著書となります。これは「閑話叢書」という民俗系の出版企画の第1冊目で、それを主導していたのが、本山桂川です。桂川は当時千葉県東葛飾郡市川町(現市川市)に住んでいました。熊楠とは直接の面識はないそうですが、長崎県で大正9年(1920)から発行していた『土の鈴』を通じて、熊楠と交流を行っていました。

本山桂川については、千葉県の市川歴史博物館館報で読むことができますし、『南方閑話』は『南方熊楠全集』第2巻(平凡社)に収録されています。

『南方閑話』出版後に熊楠と桂川は契約のトラブルとなり、双方に連絡を取ることはなかったようです。また、このトラブルから、熊楠は「原稿買い取り」方式による出版が頭にあり、『南方随筆』の際に、担当した岡茂雄が頭を悩ますことになります。このあたりについては、岡茂雄『本屋風情』でも読めますので、是非こちらも読んでみて下さい。

カバーの表紙には猿がデザインされている

内扉

O目次

『南方閑話』以降のラインナップ