本日、8月6日は「世界ビールの日」だそうです。他にも「地ビールの日」など、4月にありましたが、今回はInternational Beer dayにしました。
熊楠は大の酒好きとして知られています。晩年は禁酒していますが、共立学校(現開成高等学校)の頃から「ビール派」であったようです。
特別展「熊楠が収集した雑誌」展に展示中の河東碧梧桐「続一日一信」『日本及日本人』第559号には、碧梧桐が正岡子規の弟子であり、熊楠は子規が共立学校の同窓であったことから、ビールを飲みながら当時の話をする熊楠の描写があります。曰く、熊楠は「ビール党」で、子規は「せんべい党」であったとのこと。当時熊楠は17歳で「ビール党」の大将をはっており、子規はせんべいを囓りながら、詩や句を作ると言っていたそうです。こうした昔話に花が咲き熊楠、碧梧桐、柴庵(毛利は碧梧桐へ熊楠を紹介した)の3名でビールを4本空け、さらに追加されています。碧梧桐は林立するビール瓶が最後には1ダースにもなるのではないかと戦々恐々としたようです。
また、碧梧桐は熊楠とロンドン時代に面識のあった福本日南の話もしています。日南といえば、『大阪毎日新聞』に連載した「出て来たか」で、熊楠という人物を日本で初めて紹介したと言われています。ロンドン時代の熊楠が「食う物も食わず勉強している・・・しかし飲むものは飲んでいる」という言に好感を得たとあり、日南はロンドンのパブを巡る熊楠へ「角屋先生」の号を奉ったようです。
世界ビールの日に、ビールにまつわるエピソードの多い熊楠についてでした。
常設展示室より |
碧梧桐の南方邸訪問エピソードが掲載された『日本及日本人』(顕彰館蔵) |