今から154年前

こんにちは。閑話猿です。

154年前の5月18日(旧暦では慶応3年4月18日)に南方熊楠は和歌山県和歌山市に生まれました。

名前の由来は、熊野の「熊」、藤白神社の大楠から「楠」をもらい「熊楠」と名づけられました。

熊楠の執筆に「南紀特有の人名―楠の字をつける風習について―」(『民族と歴史』四巻一号 『南方熊楠全集』 3巻 平凡社 収録)というものがあり、「紀伊藤白王子社畔の楠神の神木」より字をもらったと書いております。

さらに宮武外骨が人名の楠は「糞」より転化したものという説に対して、「自分の名前は熊楠ではなく熊糞になるではないか、古来から楠を神木とし族霊(トーテム)としたから人名につけるのだ、決して悪臭の糞から芳香の楠に転じていない」と言います。熊楠をはじめ、楠の字がつく人名にとってはアイデンティティに関わることですから重要な問題です(南方姓は楠、藤、熊の一字をもらっていたそうです)。

 

人の誕生日にこんな糞だ云々言っていては失礼なので、別な話題です。

5月26日水曜日から、南方熊楠記念館では南方熊楠没後80周年 特別展として「熊楠が収集した雑誌」展を開催します。今回引用した『民族と歴史』も展示されますので、是非おこしください。

 


青年期写真