南方熊楠記念館の見どころ紹介(4)

皆さん、こんにちは。南方熊楠記念館の館長です。

今回の見どころ紹介ですが、見どころというより聞きどころと言ったほうがよいのではないかと思います。

記念館を訪れるとたいへん心地よいBGMが流れ、記念館と番所山の自然を繋げています。

このBGMはJRきのくに線31番ホームの音楽や東京都天王洲アイル セントラルビル内の音楽などを手がけたパーカッションニスト・作曲家の永井朋生氏の「南方熊楠音楽」を流しています。

来館された方はお気づきかどうかわかりませんが、館内で2つの「南方熊楠音楽」が流れています。

1階エントランスホール及び本館に繋がる2階渡り廊下では熊楠が愛した熊野の自然を表現した曲「熊楠の一日」が、2階常設展示室では熊楠の脳内を巡りまわる膨大な情報の行き交う様や粘菌をイメージした曲「熊楠脳内粘菌術」が流れています。

そして、この2つの曲は「南方熊楠音楽」の萃点として、常設展示室前の南方曼荼羅の描かれた自動ドアが開くと2曲が混じり合い新しい曲が生まれるように工夫されています。

一方、音源も工夫されています。豊かな自然が残る番所山で録音された海や森の音、虫や鳥の鳴き声、番所山で採集した楠の枝やヤシの葉で作った打楽器の音、紀州備長炭で作った炭琴の音、熊楠が採集した鈴石の音、和漢三才図会など古書をめくる音、前館長が熱く熊楠を語っている声など様々な音源が使われています。

ご来館された際には、このような仕掛けをされた「南方熊楠音楽」を聞きながら、熊楠が残した展示物をじっくりご覧いただきたいと思います。

 

なお、この「南方熊楠音楽」はオーディオファンでは知られた田口音響研究所製のスピーカーから流れています。スピーカーからのBGMは距離減退が少なく、高忠実度、高再現性に優れ「和の趣」を表現しています。