皆さんこんにちは。南方熊楠記念館のチョボいちです。
屋上でシマナンヨウスギ(Aroucaria heterophylla) 別名コバノナンヨウスギの球果、手が届きそうなところで観察できます。雌雄異株なので、今実がなっているのは、雌株です。
シマナンヨウスギは、アロウカリア(Aroucaria)属の一種です。アロウカリアはヒマラヤスギ、コウヤマキとともに世界三大公園樹の一つです。アロウカリア(Aroucaria)属は常緑針葉樹で、オーストラリア、南米、ニューカレドニアなどで19種知られていて、なかにはメタセコイアやイチョウと同じ生きた化石の一つとして知られるAroucaria cunninhamiや、ブラジルのパラナ松として知られるAroucaria angusutifoliaも含まれます。
番所山にあるのは、ノーフォーク島原産のシマナンヨウスギで、明治40年頃日本に持ち込まれた園芸植物です。番所山では、昭和38年3月30日義宮殿下白浜お成りのさいに、南方熊楠記念館建設地へお鍬入れあそばされたという写真が「久遠の光」に残されているので、58年経過していることになります。番所山では門の周辺に大木が3本、
記念館に接して2本の大木があります。58年で3階屋上よりさらに8mほど大きく育ったことになります。
枝は水平に伸び、枝から垂直に上に向いて葉がでて、葉は切りそろえたような羽状になります。美しい樹形なので、クリスマスツリーとしても人気で、大きな園芸店では苗を売っていることもあります。
昨年7月2日に屋上で球果が一つ落ちているのを見つけました。その時残った一つを観察し続けています。今では手のひらより大きな球果になり、松ぼっくりのように種子が膨らんで充実してきました。日本のマツのように、年を越しで果実が成長するんですね。よく見ると、同じくらいの大きな球果が3個、あります。日曜日の森林ウオークの時に、館長が今年成った球果を2個見つけたので、合計5個観察できます。それも、今年開花して大きくなりつつあるものと、昨年開花して充実した大きな球果を同時に観察できます。下から見ると葉に包まれているので、たいへんわかりにくいですが、屋上から横や上から見るとわかりやすいです。シマナンヨウスギの球果5個、探してみて下さい。
昨年開花し、大きく育った球果。大きさは、20cm以上あります。 |
頂上近くを見上げると2個、手摺りの近くに1個あります。 |
|