皆さんこんにちは。南方熊楠記念館のチョボいちです。今朝、お客様から「朝日新聞で珍しい花が咲いているという記事をみましたが、どこですか」と聞かれました。京大水族館の裏の駐車場を見に行くと、大きなトゲトゲのある帯状の葉のなかから5mくらいの花茎が出て、倒れているをみつけました。番所山公園では一昨年、芝生広場でリュウゼツランが開花、昨年はアオノリュウゼツランが開花しました。メキシコ原産の植物ですが、熊楠はアメリカからキューバに渡っていますから、熊楠も見たと考えられる植物です。番所山に熱帯動植物園が開園したのは昭和8年なので、その頃リュウゼツランの仲間が植えられたとすると87年ほど経っています。Ⅰ代目か、あるいは2代目かもしれませんが、開花時期がきたようです。花が咲けば、葉に蓄えた栄養を種子に送って枯れるので、一生に一回しか花を咲かせません。センチュリープラントと言われる理由です。最初に輸入されたのは葉に縞模様があるほうで、葉の様子が竜の舌のようだということで、「竜舌蘭」という和名がつきました。後から縞模様がない方が入ってきて、和名がつけられたので、縞模様のない方を「青の竜舌蘭」と呼んで区別しています。京大のは「アオノリュウゼツラン」です。記念館からお帰りの時に、京大水族館の裏側を見て探して下さい。ちなみに、番所山公園のリュウゼツランは花は咲いても種子はできませんでした。台風で傷んだのが主な原因ですが、冬の気温が低すぎるし、花粉を媒介する虫や蝙蝠やハチドリがいないのも関係していると思います。番所山では種子では増えなくても、株から小株ができてクローンで殖えています。
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