「謎の標本」久保田信先生”貝”明:7月23日(火)

皆さんこんにちは。南方熊楠記念館のチョボいちです。
今日、「ベニクラゲ再生生物学体験研究所」所長の久保田信先生がマサチューセッツ工科大学の方とご来館になりました。熊楠コレクションの「謎」の標本を見て戴いたところ即答で「アサガオガイなどの浮嚢」とのことでした。熊楠の標本にアサガオガイ、ルリガイ、ヒメルリガイの貝殻があります。これらの紫色の綺麗な貝は、多数の細かい泡を分泌して浮嚢をつくり、その下側にぶら下がって生活し、そこに卵も産み付けます。そのフロートだということです。アサガオガイはJanthina janthinaという学名で、海に浮かんで沈まないアサガオガイの学名から京大の船の名にヤンチナ号という名がつけられています。北浜にも、浮嚢が漂着しているのですから、アサガオガイなど瑠璃色の貝の本体も漂着しているはずです。「謎」の一部が解明されました。あと、未だ正体不明の標本には、浮嚢と一緒にガラス管の中に入っているセルロイド細工のようなものと、植物の種子とがあります。解る方、いらっしゃいませんか。

謎の標本の展示 ガラス管左は未だ謎
紫のヒメルリガイ 小型の貝類標本の中に入っています 未だに謎の標本 センダンの実のようですが、黒いです