畠島の「聖上臨幸之所」碑:5月21日(火)

皆さんこんにちは。南方熊楠記念館のチョボいちです。
現在記念館では昭和天皇行幸90周年企画展を開催しています。昭和天皇は、円月島前から御座舟にご乗船になり、四双島で御採集、塔島でも御採集、熊楠が神島でお迎えし、畠島へ渡られます。畠島は、現在、京大が継続して生物を観察している島なので、許可なく上陸することができません。以前、畠島生物調査の許可を得て、京大のヤンチナ号で渡してもらったことがあります。上陸した時に、島の小高いところに「聖上臨幸之所」の碑があるのを見つけました。碑のまわりの木が大きくて、見晴らしはききませんでした。でも、昭和初期、畠島には桑畑があり、大きな松の木が生えている写真も残っています。ですから、当時、この丘の上は開けていて見晴らしがよかったと思われます。昭和天皇は御上陸後、小丸島周辺の磯で、生物の採集をされたそうです。当時の和歌山県の記録には、貝の化石をご覧になり、ムラサキクルマナマコ、カニダマシ、ヒザラガイ、ヨメガサラ、ムラサキウニ、バフンウニ、ナガウニ、メリベ、ハナギンチャク、ギボシムシを採集されたと書かれています。


小丸島(左)と畠島。潮が引くと磯が現れる。

綱不知側から見た畠島。

小丸島周辺の磯

畠島の砂浜。碑は左側の丘の上にある。
昭和天皇の御座船は熊野三所神社に保管されています。