フジツボの脱け殻漂着:2月24日(日)

皆さんこんにちは。南方熊楠記念館のチョボいちです。
昨日は変形菌やキノコの図鑑の写真で有名な伊沢正名氏の講演会、満員御礼無事終了しました。今朝は伊沢氏と番所山の森を散歩しました。番所山の森から天然橋を経て北浜へ行きました。波打ち際にはたくさんの貝が漂着していましたが、見慣れないものがありました。大量のフジツボ類のまん脚です。フジツボはエビやカニと同じ甲殻類です。脱皮をして成長するのですが、どうやらその脱皮殻が漂着したようです。春になって海水温が上がり、餌のプランクトンも増えて栄養状態も良くなったのでしょうか。一皮脱いで、「魅惑の脚まねき」でよりたくさんのプランクトンを掻き集めることでしょう。オオアカフジツボの殻も落ちていたので、参考のために一緒に写真に撮りました。でも、この脱け殻がオオアカフジツボのまん脚であるというわけではありません。

波打ち際に貝殻といっしょに打ちあがっています ベージュ色の脱け殻がたくさんあります
1.5cmほどで繊細なブラシの集まりのようです。 オオアカフジツボの殻とともに。まん脚は、生きているときは「火口」のような殻の中に収まっています。

海岸はすっかり春です。北浜では、のんびり座り込んでビーチコーミングを楽しんでいる人もいますよ。今は写真家ではなく「糞土師」を名乗る伊沢氏に、番所崎の磯に「オオグソ」という釣りで賑わう磯があることをお伝えするのを忘れました。番所崎周辺の磯が良く釣れるのは、番所山の緑と、その落ち葉や死骸や糞などを分解する菌類などの生物達のお陰で海に栄養分がたくさん運ばれているからです。のたりのたりと打ち寄せる波を見ながら、物質循環を感じてください。