皆さんこんにちは。南方熊楠記念館のチョボいちです。
盗難被害仏像仏具紹介第7回目です。今回は、めでたく所蔵者が特定できた例です。真鍮製、高18.6㎝、昭和38年作の香炉です。
獅子の飾りを上部に表した真鍮製の香炉で、背面に「東谷、垣内什物、昭和三十八年秋之作」と書かれています。博物館の調査で、かつらぎ町東谷地区の通称「東谷垣内」に所在する遍照寺で平成22年複数の仏画の盗難被害が発生していたことから、現地で確認すると、仏画を納めた押し入れの中から、同じ銘文が刻まれた燭台と華瓶が見つかりました。本来三具足として組み合うものなので、所蔵者と判断されました。このように、盗まれたことに気が付いていない事例も多くあると思われます。