本日午後、彫刻家の絹谷幸太氏がご来館になり、次の特別展「熊野熊楠を愛する人たち展」で展示する作品を搬入していただきました。
フランスの大理石を使った彫刻で、「輪廻転生」という作品です。大理石は貝殻やサンゴが堆積し、マグマの熱によって生まれた石です。絹谷さんがフランスで制作されたもので、制作中に不思議な生命の香りが石から香って驚いたそうです。絹谷さんは、東洋の古い哲学「雲根過影(うんこんかえい)」にあるように、大地の石は宇宙の霊気を身に宿し、石と雲とが有機的に繋がり合うという思想から、石は雲を通じて母なる宇宙に地球の現状を伝えているような気がするとおっしゃっています。
作品の雲の形はモジホコリの仲間(粘菌)の子実体を彷彿とさせます。一生自然に向き合い、森羅万象、宇宙から楽しみを得ていた熊楠のマンダラの世界に通じていると思います。さらに、この作品は触れていただけます。ぜひ、石のメッセージを聴いて、語り合ってください。
11月23日(金)からの特別展に、お越し下さい。熊楠の「撮影可」の写真パネルもお待ちしています。