近大生物理工大和勝幸先生「コケ」講演会開催:11月10日(土)

皆さんこんにちは。南方熊楠記念館の「チョボいち」です。本館主催の講演会「番所山で自然を学ぼう!」の第3弾、近畿大学生物理工学部大和勝幸教授による講演会を13:30~15:00まで開催しました。演題は「植物の陸上進出が地球を変えた 庭の嫌われもの「ゼニゴケ」」です。
生き物が海から陸へ上がっていくために何が起こったのか、ゲノムがわかっているゼニゴケで、遺伝子を分析することによって研究がすすんでいます。ゼニゴケが実験生物としてたいへん良いことが理解出来ました。最先端の生物学の難しい内容ですが、ゴルフのパターに遺伝子を例えたりして、パワーポイントの画像でわかりやすく説明していただきました。ゼニゴケは庭の嫌われ者ですが、研究室で育てられているゼニゴケは大変美しく、顕微鏡で精子が活発に動いている様子を見せていただきました。ちなみに、番所山でゼニゴケはみつかりませんでしたが、ジャゴケは海岸に近い排水溝周辺の湿った場所に少しあります。この講演会の後、ゼニゴケがとっても魅力的に見えるようになりました。


ゼニゴケ雌株

ゼニゴケ雄株

左はゼニゴケの葉状体、右はジャゴケの葉状体。
雄株の傘のような部分に水を垂らすと、精子が泳ぎだし、それをスポイトで採集して顕微鏡で観察します。今の季節、屋外では精子はあまり泳がないのですが、実験室で特別な光をあてて栽培して、精子が見られる状態のものを持ってきていただきました。上手く写真が撮れなかったので、皆さんが観察されている様子や、活発に泳ぎまわっている精子をこのブログでご紹介できなくて残念です。大和先生には大きな顕微鏡を2台もご持参いただき、質問にも丁寧にお答えいただきました。貴重な体験をさせていただき、誠にありがとうございました。