皆さん、こんにちは。記念館の「チョボいち」です。
ゴールデンウィークにはたくさんのお客様にご来館いただき、ありがとうございました。お天気も良くて、「番所山ミュージアム南方熊楠記念館」を楽しんでいただけたなら嬉しいです。浜で拾った貝殻をプレゼントとしてパンフレット類といっしょに置いておきました。そのなかに、「アマオブネ」Thliostyra albicilla L.がたくさんありました。馬蹄形の半球形、黒白の模様があり、裏側はD字型に半分が白い陶器のような美しい貝です。貝殻の模様は、いろいろです。スタッフの一人が「これはペコペコ貝。懐かしい」と言いました。この貝を、この辺の子供たちは「ペコペコ貝」と呼んでいるようです。当地方で「磯もん」と言って食用にするガンガラと同じように採集してゆでて食べる人もいるそうです。潮間帯下部の浅海の岩礁や転石に付いている貝です。なぜ、ペコペコ貝なのでしょうか。水槽のコケ採りのために飼育される汽水産のイシマキガイやカノコガイも同じ仲間です。
この貝殻を一つ、両手に挟んで、手の平を擦り合わせると、この貝殻と手の平の間から「ペコペコ」と音がします。突起が無く、丸い貝殻なので、痛くありません。楽しい遊びです。ぜひ、番所山公園の「貝拾いポイント」で「ペコペコ貝」を探してみてください。「貝拾いポイント」では、アマオブネは小石に混じってたくさんみつかります。
記念館の熊楠の貝類標本の中に「アマオブネ」ももちろん入っています。