標本づくり【貝&粘菌】

みなさん、こんにちは。学術スタッフの中野です。

夏休みになり、家族連れのお客さまのご来場も多くなり、大変ありがたい日々です!^^

番所山の自然を楽しんでくださるお客さまも増え、私の出番も多くなり、毎日嬉しい悲鳴です。南方熊楠記念館のある番所山は海も山も両方楽しめるので、夏休みに家族で遊ぶにはオススメですよ。

 

【海・貝】

台風5号も去り、海も穏やかになりました。水の濁りもだいぶ無くなり、海は台風前の状態を取り戻しつつあります。さて先日(8/11)は、前回のリベンジに燃えたご家族と一緒に磯採集へ出かけました。

 ◀磯採集の様子

ご家族の思いとしては、「夏休みの自由研究のために貝をいっぱい採りたい!」ということだったのですが、なぜか大きなウミスズメがタイドプールで見つかりました!

 ◀ウミスズメを捕まえました!

ハコフグ科で、英語ではBoxfishと言います。ハコフグにとてもよく似ていますが、目のところに角が付いているのがハコフグとの違いです(ハコフグには角がない)。

あ、もちろん貝はいっぱい採れましたよ。貝は、下の写真のように煮たり(二枚貝はパカッと開くまで)、電子レンジでチンします(目安は500Wで30秒)。

 ◀貝を煮ています

貝が煮えたら(チンできたら)、身を殻から除去します。ピンセットを使うと取りやすいですよ。^^

 ◀貝の標本を作成中です!

貝にはフタが付いているものもあるので、貝殻とフタをセットにしておいて下さい。標本ラベルを付けます。なお、標本ラベルには和名、学名、採集日、採集地、採集者を記入してくださいね。

 

【山・粘菌】

さて、今日(8/12)は以前から粘菌探しをしたいと言ってくれていたご家族に同行しました。

 ◀本日の番所山フィールドガイド

ホワイトボードの右下には「今週の粘菌」コーナーもあります。今週前半に見られたヤリミダレホコリ、ジクホコリ、ナミウチツノホコリ、アオモジホコリは今日は見られるでしょうか??

さて、粘菌探しは蚊との戦いでもあります。虫よけスプレーを入念にかけて、いざ記念館を出発です!※番所山にはマムシも生息しています。崖地で崩れやすい部分も多いので、ここで粘菌探しをする際には、是非ご用命ください!

今、一番粘菌がたくさん見られる朽ち木を見に行きました!まず目に入ってきたのは、ナミウチツノホコリとヤリミダレホコリです。うんうん、ホワイトボードの通りですね、よかった。

お母さん「この可愛いピンク色のも粘菌ですか?」

私「あぁーーー!粘菌です!これはマメホコリって言って、私が見つけたかったやつです!」

 ◀マメホコリ(ピンク色の方、未熟な子実体)

この他にも、ご家族はドンドン見つけていきました・・・。す、すごい・・・。

 ◀クモノスホコリ

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1時間の採集で、これだけ採れました!7種類!!素晴らしい成果です!なかなか見つけられない時もあるので、幸運でしたね!^^

 ◀採集した粘菌たち

こちらを粘菌の図鑑で種同定し、標本ラベルを作り、紙箱へおさめていきます。

 ◀粘菌標本を作成中です!

最終的に、このご家族は半日で10種類の粘菌標本を作っていきました。串本町出身だそうで、串本でも採集をしてきてくれるそうです。成果が楽しみですね!すばらしい自由研究になるように祈っております!^^