みなさん、こんにちは。学術スタッフの中野です。
先日(6/23)、番所崎を一回りしてきました。その海浜植物の様子を今日はレポートしようと思います。
さて、番所山には「フィールドミュージアム番所山自然観察ガイドブック」というものがあります。
◀自然観察ガイドブック
その一番後ろのページに「番所山 花マップ」というのがあるのですが、
◀番所山 花マップ
ここに書かれている「イヨカズラ」に関して、時々電話で問い合わせがあります。
お客様「もしもし?イヨカズラを見に行きたいんですけど、行ったら見られますか?」
私「イヨカズラは、マップ上では記念館に近い場所なんですが、実際には崖地となっているため、直には行けないんですね。なので海岸をぐるっと回らないと観察できない場所にありまして・・・正直ちょっと難しいです」
大変に答えにくい質問で、返答に困っていました。でも!先日は、心強い味方が来てくれていましたーーー!
ジャジャン!!
和歌山県立自然博物館の植物担当の内藤麻子さんです!実は、上述した「自然観察ガイドブック」の植物を担当してくださったのも、何を隠そう内藤さんなのです!
◀左側の方が内藤さんです。
短時間の滞在だったのにもかかわらず、快く同行していただきました!内藤さん、ありがとうございます!また、待ってていただいた川上さんもありがとうございます!
私自身も見たことがなかったこともあり、本当に生えているかも含めて、実際に見に行ってみることにしました。いつもの通り、番所山の北側からエントリーして、塔島をぐるっと周り(※かなり潮位が低くないと、塔島を歩いて回ることはできませんので、ご注意ください)、釣り人からは「入道」と言われる磯岩のあたりの崖地(番所山の北西部)に到着です。
内藤さん「あ! イヨカズラ、ありましたよ!」
◀イヨカズラ
わーーーー!念願のイヨカズラ(キョウチクトウ科)です!
でも、残念なことに花がついていません。花期は初夏なので、もう終わってしまったのでしょうか・・・。泣
内藤さん「中野さーーん、イヨカズラの花、まだありましたよーー!」
◀イヨカズラの花
あぁ、なんということでしょう!イヨカズラの花がみたいという想いが天に伝わったのでしょうか!!^^
この外にも、番所崎の岩場で生える海浜植物を中心に観察してきました。
◀キノクニシオギク
「紀の国」という言葉が名前に入った貴重な植物です。分布も紀伊半島沿岸で、和歌山に来ないと見ることできない植物です。花期は11~12月ということなので、可愛い黄色い花に会えるのはもう少し先ですね。
続いて、特定外来生物のナルトサワギク(キク科)です!次回、番所崎を回るときはできるだけ駆除しようと思います!
◀ナルトサワギク
ナルトは鳴門市のことで、1976年に鳴門市で初確認されたことに由来するそうです。急速に分布域を拡大している特定外来生物です!
その近くの岩場では、コモウセンゴケ(モウセンゴケ科)が咲いていました。
◀コモウセンゴケ
食虫植物ですが、ピンク色の可愛い花を咲かせます。山の湧き水がしみ出しているところに群生することが多いそうです。
カサカサカサ・・・ <!> 何か、います!!><
◀でかいヤドカリ!?
ガサッ、カタカタカタ・・・。 あ!二つに分かれました!
◀分裂した何か
ダダダダッ! 待て、待てーーーーい! とぅ! パチリ。
◀ムラサキオカヤドカリです!
なんと、天然記念物のムラサキオカヤドカリでした!なかなか見ることができないなーと思っていたら、勤務して3ヶ月・・・。やっとお会いすることができました!
本当は捕まえて、手に乗せて、記念撮影・・・といきたいところなんですが、天然記念物なので捕獲はおろか、触ってもダメという・・・残念無念です!
でも、念願のイヨカズラの花も見ることができましたし、天然記念物のムラサキオカヤドカリに会えて、とてもラッキーでした♪とても嬉しいです!^^
番所山の植物を観察したいという方がいらっしゃいましたら、
7/23(日)に植物観察会を開催しますので、是非お申し込みくださいね!
他にも、7/30(日)にキノコ・粘菌の観察会と、8/6(日)に海の生き物の観察会も開催いたします!