生物学者・南方熊楠

熊楠は、博物学者として知られるが、特に心血を注いで研究したものは、菌類・粘菌・淡水藻であった。これらの研究は、十七歳頃に、六千点の菌類標本集があることを知り、それを超える収集を志したことに始まる。

海外でも採集・研究をおこなっていたが、帰国後は晩年まで一貫して研究を続け、自宅の庭でも「ミナカテルラ・ロンギフィラ」という新種の粘菌を発見している。菌類の採集標本及び彩色図譜は、四千五百に及んだ。当時、日本で見られた粘菌を網羅した目録を発表しており、「粘菌学の父」と呼ばれている。

南方熊楠の植物学

昭和天皇への標本進献と御進講

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