山中の藤

こんにちは閑話猿です。

先日上富田町岡にある田中神社のオカフジを撮影に行った際に、周囲の山に藤が咲いているのが見受けられました。熊楠の研究協力者であった樫山嘉一は、上富田町で藤のサンプルを採取し、田中神社のオカフジが通常のものと異なっていることを発見したため熊楠に同定を依頼しました。

藤は八條忠基『有職植物図鑑』によると、「貴族社会で最上級に尊重された植物」であり、中臣鎌足が「藤原」姓を授かったことで、藤は貴族社会において意識されたとあります。

そんな藤ですが、私が林業をされている方から聞いた話で「山に藤があることは山が荒れていることだ」というものがあります。これは人工林に限ったものらしく「藤は始末が悪い(やっかいだ)」と言われていました。

時代や職業によって同じ植物でも扱われ方に差異がでるものですね。

八上神社近くの藤① 八上神社近くの藤②